医療行為と免許に関する葛藤
あ、停電から復活!やった。
今日何連投目だろ?
採血という医療行為とボランティアの免許に関わる葛藤についてのお話
うちは結核外来のクリニックなので喀痰の採取はあっても採血はまれ。
午前中、処置室で患者登録簿のチェックをしていると若い男性の採血をする様子
患者さんに許可をもらいそのまま見学することに。50歳近いベテランの風格のナースが担当。
びっくりしたところ、気になったところ
- きちんと手袋したこと
- 検体ホルダーがあること
- 検体に先に名前を書いた!
- 消毒アルコール綿がある
- と思ったけど湿り気がない。ただの綺麗な脱脂綿のようだ。
- 刺すところ拭かない(笑)
- 駆血帯はゴム手袋
- 血管の硬さに対して針の角度浅すぎない?
- 針抜くときに駆血帯代わりのゴム手袋外さずに抜く(血が少し吹き出した。自分思わず叫ぶ)
- 採血の伝票はない
- ナースが何の検査のための採血かうろ覚え
- 何cc必要か考えてない、とりあえず入るだけ血を入れる
- 凝固してもお構いなし
- 気になるのはbubble(気泡)
- 針捨てボックスあるのに横に用意しない
- この国はシリンジと針がすでにセットされているやつが主流
- 処置室という個室にも関わらずドアは閉めない(結核クリニックという場所柄か換気最優先主義)
- 横の書類そのまま
etc.ありすぎて省略
確かに年齢の割(20台前半?)にコリコリした硬い血管だったのは分かるんだけど、もう少し工夫すれば2人で5回刺しても成功しない、なんてことにはならなかったと思う‥
患者さん自身が
「いつもはここで取ってる」
とそっと教えてくれた血管を無視して、見える表皮近い細い血管を狙うナース達。きっとそこは痛い(教えてくれた所は確かに見えないけど、触った感じ少し深めに太い血管はある)
結局取れなくてたまたま来ていた外部の医師に伝えるだけして放置して逃げ出すという始末‥
その人は別の監査の仕事で来ていたから、助ける義務と余裕はないはず。
自分は日本の看護師という資格は持っていても感染症・エイズ対策という職種で来ているただのボランティア。
しかもザンビアは看護師という職種を作ってもJICAボランティアに免許を取らせなかった過去を持つ国。(実際は語学力の問題と聞いた気もする)
注 他の国で看護師として派遣されている隊員でも医療行為はほとんどできない。
目の前にはかなり痛そうな表情で文句も言えずナースの下手な採血を耐える男の人
なにかしてあげたい
自分ならできる(かもしれない)のに
けど
責任は取れない恐怖感
無力感
ブランクからくる自信の無さ
様々な感情がありました。
結局別の仕事で呼ばれたことから、逃げるようにして1人ポツンと座るその男の人を直視できず去った自分
心の中では少しホッとしているような情けない自分
あの人はあの後できるだけ苦痛なく終え、家路についただろうか
ふと考えてしまう。
あの時
「自分にさせて」
と言ってこっそりしたら、こんなに苦痛を感じさせなくても済んだんだろうか?
1個前の記事の出来事
自分ってボランティア?
https://kaigai-nurse.hatenablog.com/entry/2019/08/24/045723
といい
自分はなぜここにいるのだろうか?
という悩みが深まる今日の出来事でした。
でもこの悩みを振り切るには自分のできる事に全力で向かうしかないんだよなぁ‥
クリニック配属の人はいつもこの現場で頑張っているのかと思うと頭が下がります。
目の前の人をどうしても助けたいと思いがちな自分